子供の結婚が決まったら、その日から親は子供たちに伴走することになります。
結婚の主役は子供たち。親は見守り、時々助言をしたり、必要に応じて援助をするだけ。
因みに、新婚カップルが親から援助してもらった額の平均は、178万4000円。
新婚生活の立ち上げにかかる費用は約100万円という調査結果がでています。
本記事では、悩みながらもどうにかゴールを迎えた、我が子の結婚体験談をお話しします。
子供の結婚に、親はどのように関わったらいいのか。
資金援助はどのくらいするのか。
体験を通して、感じたこと、学んだことを赤裸々にお話しします。
最近の結婚事情
現代の結婚は数十年前とはだいぶ様変わりしました。
出会いもマッチングアプリなど、昔では考えられないような手段が増えています。
式のスタイルも多様化して、写真のみのフォトウェディングや、家族や親戚のみの少人数婚、1.5次会ウェディングなど、カップルの好みに応じて様々。
親や周りの意見より、結婚する本人たちのの意向が尊重される時代になったようです。
結婚準備 現代の一般的な流れ
結婚までに必要な準備は、今も昔もあまり変わらないようです。
まずは、一般的な結婚までの流れ知っておきましょう。
- 婚約・指輪購入
- 親へのあいさつ
- 両家の顔合わせ
- 結納
- 新居探し・家具、家電の準備
- 結婚式の準備
式場選び
料理、衣装などの選定
ゲストの選定 - 結婚式
- 新婚旅行
実際に準備をどのように進めていくかは、カップルによって違ってきます。
また、最近の結婚では仲人や媒酌人はたてませんし、結納もほとんどの人が省略しています。
形式だけの部分は省略され、カップル本位といった形になっているようです。
結婚にかかる費用は 2種類
結婚にかかる費用は、大きく分けて2種類あります。
ひとつは、結婚式や結納など式に関連する費用。
もうひとつは新居や家電品、家具など、新婚生活の準備にかかる費用です。
結婚式にかかる費用
ゼクシィの調査によると、婚約から結婚式、新婚旅行などにかかるお金は平均で371万3000円。
ゼクシィ 結婚にかかるお金の総額
この中には、指輪や結納、新婚旅行の費用も含まれています。
一番大きな費用がかかるのは結婚式で、平均303万8000円。
ゲスト一人当たりの費用は、9万8000円。
つづいて婚約指輪、結婚指輪の費用が61万9000円。
結納関連の費用が23万2000円と続きます。
高額な出費になりますから、ご祝儀やふたりの蓄えで足りなければ親の援助が必要になります。
因みに、親から援助してもらった額の平均は、カップル合計で平均178万4000円という結果がでています。
新婚生活の準備にかかる費用
新婚生活の準備にも、かなり費用がかかります。
必要な費用は以下の2種類。
- 新居の契約費用(敷金・礼金など)・引っ越し代
- インテリア・家具・家電などの購入費用
新居の契約費用は、住む地域によっても異なりますが、初期費用は家賃の約5~6か月分。
この中には、敷金、礼金、仲介手数料、火災保険料などを含みます。
8万円の家賃なら、約40万~48万円がかかることになります。
また、荷物を運ぶための引っ越し代も必要。
費用は季節によっても違いますが、ひとり約5万~6万円くらいが相場のようです。
次に、インテリア、家具、家電などの購入費用です。
リクルートは「新婚生活実態調査2023」で、新婚カップルの生活用品への支出を調べています。
新婚生活実態調査2023 リクルートブライダル総研調べ
それによると、平均的な家具、家電の購入費用は53.2万円。
内訳は以下のようになっています。
- インテリア・家具 平均24.4万円
- 家電製品 平均28.8万円
子供たちが独立して、新婚生活をスタートさせるには、約100万円もの費用が必要になります。
子供の結婚準備 親の役割は? 親の口出しはどこまで? 我が家の体験談
子供の結婚は親にとってうれしくも、寂しくもあります。
結婚を報告された時は、子供の成長を感じて嬉しく感じます。
また、準備が進んでくると、手放す寂しさや結婚生活への心配など、いろいろな感情が湧いてきます。
我が家では、長女が披露宴なしのフォト婚を選択をしました。
コロナ禍だったこともあり、両家とも披露宴は開かないことで合意しました。
その分準備も楽だったはずですが、長女が嫁ぐまでには、実にいろいろな事が起きました。
結婚準備は片方の意向だけで進むものではありません。
ここでは、悩みながらもどうにかゴールを迎えた、長女の結婚体験談をお話しします。
結婚のあいさつ 親の心構え
長女の結婚相手があいさつに来る日、私たち親は緊張しました。
それは子供達も同じだと思います。(自分たちの時を思い出してみましょう)
まずはお互いリラックスして、打ち解けることが大切。
我が家では、以前から何度か顔を合わせていたため、満を持してのあいさつでしたが、それでもお互い緊張しました。
短時間でのあいさつとなりましたが、和やかに終えることができました。
これからは親は見守っていくだけ。
そんな心構えを親も子供も分かち合えたと思います。
結納はどうする? 最近の傾向
結婚のあいさつを終えると、次に気になるのが結納と両家の顔合わせです。
ですが、最近は結納を省略することが多いと聞いています。
「ゼクシィ結婚結婚トレンド調査2023」を見ても、結納をしたのは少数派。
約85%のカップルが両家の顔合わせのみで済ませています。
fhttps://souken.zexy.net/data/trend2023/XY_MT23_report_06shutoken.pdf
ゼクシィ結婚トレンド調査 (首都圏)
我が家では、長女の気持ちと先方の意向を確認した上で辞退しました。
先方が結納を強く希望していたら、辞退はかえって失礼ですし、長女の気持ちも大事にしなくてはいけません。
幸い双方とも結納は省略したいという意向が確認できたので、顔合わせのみを行うことになりました。
両家の顔合わせは打ち解けたランチで
両家の顔合わせは、レストランで気軽なランチをということになりました。
気軽ということで服装も格式ばらず、双方とも打ち解けた雰囲気に。
両家の顔合わせというと、格式ばってしまいがちですが、このように気軽な形も良かったと思います。
ご両親のお人柄にも触れ、安心すると同時に、いよいよ長女の結婚が現実味を帯びてきました。
結婚式のスタイルと親のわがまま
無事両家の顔合わせも済ませたら、いよいよ結婚式と新生活の準備の段階になります。
結婚式のスタイル。
ここは、皆さん一番悩むところではないでしょうか。
神前かチャペルか。披露宴は行うのか。ゲストはどこまで招待するのか。
ふたりの好みや、両家の考え方の違いがでるところでもあります。
我が家でも、ここでひとつもめ事が起こりました。
コロナ禍だったこともあり、ふたりは「結婚式はしない」と言い出したのです。
「式にお金をかけるより、将来のために貯金したい」と。
それはそれで立派な心がけですが、さすがに花嫁姿を見られないのは親として残念でなりません。
子供の意見を尊重したいと思いつつも、何日も落ち込んでしまいました。
親のわがままかもしれませんが、花嫁姿が見たい。
「お金がかかるし大変」
と思いながらも、娘の花嫁姿に自分も夢を乗せていたんだなと感じました。
そこで、負担をかけるのは申し訳ないけど、せめて衣裳くらいは着てほしいと娘に相談。
先方のご両親にも賛同していただき、披露宴なしのフォトウェディングをすることに決まりました。
長女が「花嫁衣裳を着る」と言ってくれた時は、涙がでるほどうれしかったです。
入籍で大慌て
入籍の日取りは、結婚する当事者同士で決めるのが当然です。
我が家でも長女たちふたりに任せていました。
長女には「入籍が決まったら早めに教えてね」と伝えていたのですが、
ある日突然「ふたりの都合がついたから、お盆に入籍するね」と連絡があったのです。
「え?お盆はダメでしょう?」と慌てる親を尻目に、ふたりはさっさと婚姻届けを提出。
止めようとしてもムダでした。
常識としてお祝い事に盆月は避けるものでは?
いやいや、その考えは古いのか?
ふたりは婚姻届けを出して幸せいっぱいでしたが、親はそうはいきません。
お盆に入籍したことで、親族への釈明に追われるハメになりました。
準備を通して自覚した 親のいや~な役目
結婚の準備は、やはりエネルギーを使うもの。
結婚するふたりの考えが最優先なのは当然ですが、長年育ててきた親にも思い入れがあります。
当事者であるふたりの考えや、親の考え、世間体、常識。
折り合いをつけなければいけない部分は、たくさんあります。
若いふたりは、世間体や常識よりも自分たちの気持ちが最優先で突っ走っていました。
そんなふたりの足りない部分をフォローしたり、ブレーキをかけたりするのが、親のいや~な役目と知りました。
時には長女とぶつかったり、また、なぐさめたり。
先方との考え方のちがいにハラハラしたり。
若いふたりには、親の口出しはうっとうしかったかも知れません。
ですが、最終的に親の意見に耳を傾けてくれ、気持ちを汲んでくれました。
色んな面で折り合いをつけ、良い結婚式になったことに感謝しています。
子供の結婚 親からの援助の相場は? 親の援助のあり方
先ほど、親からの金銭的援助は1カップルあたり平均178万4000円とご紹介しました。
この額を折半すると、両家の親が約89万2000円づつ援助していることになります。
「そんなにかかるの?」と思いますよね。
ですが結論を言うと、やはりそのくらいはかかります。
我が家でも、金銭的援助、物理的援助を含め、気がついたらそのくらいの額になっていました。
また、我が家では披露宴を行っていません。
披露宴を行った場合は、どれほどの援助が必要になっただろうかと、恐ろしくなります。
新婚婚生活への援助
昔なら、娘に嫁入り道具を持たせるところですが、今は道具よりお金を援助する方が多いようです。
また、嫁入り道具の代わりに家電品や家具を持たせたり、新居を借りる資金を援助したりと、援助の仕方も多様化してきました。
新婚生活を立ち上げるためにかかる費用は、約100万円。
すでに持っている家具、家電を利用したり、新居の費用を安く抑えられれば節約できますが、それでも費用がかさみます。
我が家では、嫁入り道具の代わりに冷蔵庫や洗濯機などの家電品や寝具を持たせました。
子供たちと良く話し合い、必要なものを援助できると良いですね。
結婚式への援助
結婚式の費用は、ふたりの準備金やご祝儀で足りなければ、やはり親のお財布が必要になってきます。
ゼクシィの調査によると、結婚式の支払額が予算を超えた原因は衣裳や料理のグレードアップがほとんど。
親の意見で料理をグレードアップした場合などは、やはり親の援助が必要でしょう。
また、新婦側は衣裳代も高額。
娘が好きな衣裳を着られるよう、新婦の親が衣裳代を援助することもあるようです。
我が家では、親が「花嫁姿を見たい」と頼んだ手前、新婦の衣裳代や着付け、介添えなどの費用を援助しました。
親のわがままをを通したフォトウェディングでしたので、子供たちに負担はかけられません。
おかげで、長女の花嫁姿を間近に見ることができ、家族の時間もたっぷりとることができました。
結婚式までは、いろいろもめごともありましたが、当日を迎えてしまえば全て忘れてしまいます。
結婚式の主役は子供たちですが、親も感動ひとしお。
幸せそうなふたりの姿に、親は何倍も何倍も幸せでした。
援助のしすぎは禁物
結婚は、基本当事者ふたりの力でするもの。
親がどのくらい援助するかは、難しいところです。
「親の希望や衣裳のグレードアップで、結婚式の費用が予算より高くなってしまった」
「新居の物件が予算内で見つからなかった」
など、結婚費用に関するハードルはたくさんあります。
ふたりの貯蓄で間に合わなくなってしまったら、親の援助も必要でしょう。
ですが、親もお金が無限にあるわけではありません。
最初から、援助できる額を伝えておくことも大切だと思います。
まとめ
- 最近の結婚事情
結婚式の流れや費用について - 子供の結婚準備と親の役割 我が家の体験談
結婚のあいさつ
両家顔合わせ
結婚式のスタイル
入籍 - 体験から知った親の役割
- 親からの援助の相場と援助のありかた
以上が本記事の内容でした。
子供の結婚が決まったら、その日から親も伴走することになります。
心配な事もたくさんありますが、親の役割は子供たちを見守ること。
そして、必要な時に相談に乗ったり援助をしたりすることです。
いやな役目もありますが、子供たちは自分たちの事で手いっぱいです。
親が伴走していることに、おそらく気が付かないでしょう。
それでも子供たちが独立して、しっかり歩いていけるようそっと背中を押してやる。
それが、親の役割なのかも知れません。